日本人が一度は行きたいハワイのように、ヨーロピアンが一度は訪れたいカナリア諸島。
「常春の島」と呼ばれ、冬に15℃を下回ること&夏に30℃を超えることは滅多にありません(日本の猛暑が羨ましかった!)。
楽園のような気候の島々の一つ、グラン・カナリア島の「アガエテ」で行われる、夏最大の祭典をご紹介します。
カナリア諸島とは?
大西洋のモロッコ沖約200km、スペイン本土から約1,200km離れた、海と大自然に恵まれた島です。
原住民のグアンチェ族が住んでいましたが、アラブやヨーロッパからの侵略が繰り返されました。15世紀末にカスティーリャ王国に征服され、スペインの配下に下りました。スペインの中南米進出時の拠点で、コロンブスがアメリカ大陸を発見する航海の際も最後の寄港地となりました。
ヨーロッパ唯一のコーヒー栽培地であることや、景勝な海岸線とスペイン最高峰のテイデ山があることでも有名で、年中観光客が訪れます。
原住民の時代から続く「ラ・ラマ」(8月4日〜6日)
本来は原住民の「雨乞いの儀式」でしたが、スペイン人入植後にカトリックの教えと混ざり現在に至ります。
1日目
早朝、海に面しているティルマ山(1,027m)にヤシの枝を取りに登ります。
ヤシの枝は港町のプエルト・デ・ラス・ニエベス(Puerto de las Nieves)まで運ばれ、守護神であるラス・ニエベス(雪の貴婦人)と聖母マリアに捧げます。
その後は飲めや歌えのどんちゃん騒ぎ。
普段は小さな町ですが、この日は島中から推定3万人が集まります。町中の飲食店がクラブのようになり、早朝から深夜まで音楽で人々を盛り立てます。
2日目
前日に納められた枝を聖母マリア像と共に、この地域中心地の教会まで約1.5kmの道をパレードと共に運びます。
この日がメインイベントなので、もちろんパーティは続きます。
3日目
教会で式典を行った後聖母マリア像を山の麓まで運び、、祭りは終了です。
この日もパレードが沿道を取り囲みますが、先の2日間に比べると厳かな儀式です。
雨乞いが起源というだけあって、朝方だけですがこの日を境に雨が降り始めます。
日本の立秋とも重なる時期で、地球全体で季節の変わる頃なのでしょう。先人の知恵はすごいです。
環境を守るための夏フェス「ビオ・アガエテ」(8月24日〜26 日 *2018年の場合)
小さな町「アガエテ」ですが、港湾建設計画が明らかになり、漁業や海洋環境への影響が懸念されています。
住民の環境意識もまだまだ低く、先述のラ・ラマの後も大量のポイ捨てがあるのが、残念ながら現状です。
そのような問題を取り扱うために始まったのが、夏フェス「ビオ・アガエテ」。
ボランティア運営とは思えない立派な3つのステージが設けられ、町全体が夏フェス会場になります。
国内の有名歌手やダンサーが招待される他、日本やアフリカ、中南米諸国の文化も楽しめます。
今年はキューバ音楽の”Guantanamera”が生バンドで聞けましたよ!
Guantanamera(原曲):
一度は聞いたことありませんか?
各飲食店もバーに切り替わり、Take-Awayフードとドリンクを提供します。飲み物はバイオプラスチック製のカップで提供され、環境への意識を高めます。
最初にカップ代€1支払うと、その後は格安でドリンクを楽しめるのが嬉しいです。
Bio Agaete 公式Facebook: https://www.facebook.com/BioagaeteCulturalSolidario/
フェスティバル以外にも活動や情報発信をしています。
最後に
カナリア諸島でフェスを楽しむための豆知識
カナリアンはスペインと中南米のハーフのような性格で、夏×祭りの組み合わせが大好き!
ボカディーヨ(スペイン式サンドウィッチ)をアテに、お酒を楽しむのがカナリア流。
来年の夏の計画に、是非いかがでしょうか?