360度の大パノラマ!ラ・マンチャの台地に聳え立つ古城アラルコン、中世に浸るパラドール


    スペインの首都があるマドリード州の東と南に接するカスティリャ・ラ・マンチャ州

    一般的なイメージは、ラ・マンチャを舞台にしたセルバンテス著「ドン・キホーテ」に登場する“風車”でしょうか。

    さらに、マドリードから日帰り観光が可能な世界遺産の街トレドも有名ですね。

    そこで今回は、ラ・マンチャのさらに奥へ、クエンカ県にある中世の城アラルコンをご紹介したいと思います。

    日本人観光客はまだ少ない穴場的な観光スポットです。

    荒涼とした風景に突如現れるアラルコン城、レコンキスタの歴史に思いを馳せる

    アラルコン城は、マドリードから南東へ約200キロ

    ラ・マンチャでも、このクエンカ県やその南のアルバセテ県は、河川も豊かでなダイナミックな渓谷が多く見られます。

    アラルコン近郊も起伏に富んだ地形と、荒涼とした景観が印象的です。

    ドライブ中、外の風景を眺めながら、かつてこの地で繰り広げられた壮絶な戦い「レコンキスタ」がふと想像されます。

    「レコンキスタ」・・・スペイン観光をする上でこの言葉はまさにキーワード。

    711年アフリカ大陸からジブラルタル海峡を渡ってイスラム勢力がイベリア半島に上陸。

    わずか7年あまりで半島のほぼ全土を占領します。

    これに対しキリスト教徒の西ゴートは反撃を開始。

    「レコンキスタ(国土回復運動)」の幕開けです。

    722年スペイン北部“コバドンガの戦い”にキリスト教徒が勝利してから約700年、各地で戦いを繰り返し南下を続けます。

    そして1492年スペイン南部“グラナダの陥落”をもってイスラム教徒は敗退し、レコンキスタは幕を閉じます。

    コルドバのメスキータやグラナダのアルハンブラ宮殿など、ヨーロッパの中でもとりわけスペインにイスラム建築の遺産が多く見られる由縁ですね。

    “自然の堀”フカル川に守られる標高831mのアラルコン城

     
    アラルコン城の周囲には、クエンカ県の県都クエンカ付近に源流をもつフカル川が蛇行して流れ、まさに“自然の堀”となっています。

    標高831mに聳え立つ城からは360度の大パノラマが広がる絶景です。

    この城は、1981年にスペインの歴史的・芸術的遺産に登録されました。

    城壁内の旧市街を散策 ユネスコに認められた巨大壁画?!

    かつて先住民イベロ人やローマ人も定住したアラルコンですが、8世紀以降はイスラムの支配下となりました。

    そして迎えた1184年、9カ月に及ぶ戦いの末、キリスト教のカスティリャ王アルフォンソ8世により奪還されます。

    アルフォンソ8世は、すでにあったイスラムの城を壊し、新たな城を築かせました。

    その後、14~15世紀に領主となった公爵により改築がされ現在の姿に至っています。

    城門から城壁内へ入ると、そこはすっかり中世の村。

    こぢんまりとしていて1時間もあれば散策できてしまいます。

    村にはいくつか古い教会がありますが、中でも洗礼者ヨハネ教会(Iglesia de San Juan Bautista)は必見です。

    16世紀の教会内部には、1994年ヘスース・マテオ(Jesus Mateo)により壁から天上まで絵画が描かれました。

    自然と人間をテーマにした壮大な宇宙観を表現した芸術はユネスコから評価され、1997年に資金的サポートを受ける権利を獲得しています。

    圧巻の天守閣!気分はまるでアラルコン城主 ラ・マンチャで一押しのパラドール

    さて、スペイン旅行では、観光地はもちろんのこと、宿泊のチョイスとして魅力的なのがパラドールです。

    パラドールを紹介した本も出版されていますし、サイト“Paradores de Turismo”(英語あり)でもスペイン各地のパラドールがアルファベット順で調べられます。

    気を付けたいのは、すべてが歴史的建築であるわけではないこと。
    中にはリゾートタイプで近代的なパラドールもありますので事前に調べましょう。

    アラルコン城では、天守閣部分が4ツ星のパラドールになっています。

    部屋数がジュニア・スイートを含んで28部屋しかありませんので、早めの予約をおすすめします。

    パラドールへの門をくぐると、小さなパティオがありカフェタイムには最高です。

    また中世の城らしく重厚な装飾のダイニング。
    夕食タイムは是非おしゃれしたいですね。

    そして、エレベーターで天守閣に上ればアラルコン城の全景とフカル渓谷の景観が見られます。

    ▶PARADOR DE ALARCÓN

    住所:Avenida Amigos de los Castllos, 3, 16214 Alarcon
    電話:+34 969330315
    「Paradores de Turismo」サイト: https://www.parador.es/en/paradores/parador-de-alarcon(英語)

    最後に

    今回ご紹介しましたアラルコン城は、これぞラ・マンチャ!といった壮大なスケールが感じられる観光スポットです。

    マドリードからレンタカーで約2時間。

    城が近づくにつれ、その景観に圧倒されつつ、中世の世界へ吸い込まれていくかのようです。

    是非、訪れる際は折角なのでパラドールにも宿泊してアラルコンを満喫してください。

       

      新着記事

       

      関連記事

      自宅でドイツを楽しむ!ホームパーティーにオススメお取り寄せドイツグルメ3選

      新型コロナウィルスがいまだに猛威を振るう中、海外旅行も制限されてきました。 ここドイツでも外出禁止令によりレストランは軒並み閉店、街中は人通りもまばらです。今回は、日本にいながら「自宅で楽しむドイツグルメ!」異国情緒を味 […]

      【沖縄】空港から近い!温泉・買い物を手軽に楽しめる瀬長島の魅力

      こんにちは。 今回は、空港からすぐそばにある気軽に車で行ける離島「瀬長島」について紹介していきます。 瀬長島は、慶良間諸島や古宇利島といった海が魅力の離島とは違い、ショッピングや温泉を美しいサンセットを見ながら楽しめる観 […]

      可愛らしさゼロ?スペインのイースターは思ってたのと違う!

      イースターといえば、イースターバニーやカラフルな卵など、キュートなイメージがありますよね。 https://bit.ly/2Wd8FkA しかし、スペインのイースターにはこのような可愛いアイテムは存在しません。 その代わ […]