クズザンポーラ!(ブータンのゾンカ語でこんにちは)
フランシュ・コンテ在住のテン子です。
今回は、アジアンテキスタイル好きの私がおすすめしたい東ブータンをご紹介します。
ブータンと言えば、様々な手工芸品がありますが、その多くはもともと東ブータンが生産地。
まだ日本人観光客の少ない東ブータン。
観光の見どころとともにご案内しましょう。
東ブータンへの旅は、インドから陸路で可能
空の玄関パロ
ブータン西部のパロは空の玄関。
ブータンに空路で訪れる際は必ず降り立つ場所です。
陸の玄関
一方、陸の玄関といえばインドとの間に国境が2つ。
南西のプンツォリンと南東のサムドゥプジョンカルです。
実は、サムドゥプジョンカルは長いあいだ閉鎖されていたため、東ブータン訪問には東西に走る国道を往復せざるを得ず2週間もかかりました。
現在はサムドゥプジョンカルの国境を利用して、インドから陸路で入ることが可能です。
東ブータンへの行き方
➀インド、デリーから空路アッサム州のグワハティへ。
➁車でダランガ(インド側国境)を通りサムドゥプジョンカルへ。
グワハティからサムドゥプジョンカルは約100キロ。
車で3~3.5時間です。
東ブータン観光で拠点としたい町タシガンとモンガル
東ブータンは、空の玄関パロや首都ティンプーのある西部に比べて標高が低めです。
タシガンは1,150メートル、モンガルは1,600メートル。
気候が穏やかで“高地が苦手”な方にも安心ですね。
東ブータンの中心タシガンとその近郊の観光ポイント
まずはサムドゥプジョンカルからほぼ真北へ約180キロのタシガンを目指します。
標高差は約1000メートル。
移り変わる車窓からの風景が印象的ですよ。
➀タシガン・ゾン
1659年に建立されたタシガン・ゾン。
かつての要塞、今は僧院と県庁が共存するゾンはブータン各地にありますが、ここタシガン・ゾンは入口から奥へ進むと、色鮮やかなブータン建築に四方を囲まれた中庭が印象的です。
年に一度の祭典“ツェチュ”はこの中庭で行われます。
2020年は11月22日~11月24日ですよ!
➁ラディ村
タシガンから東へ約20キロ。
この村ではブラ(野生蚕)の織物が生産されています。
➂タシヤンツェ
タシガンから北へ約70キロのタシヤンツェの名所は『チョルテン・コラ』。
世界3大目玉チョルテン(仏塔)の1つがここにあります。横を流れるクロン・チュー(川)と周囲の山はブータンらしい風景です。
さらに見逃せないのが、国営の伝統工芸院『ゾーリンチュスム』。
ここでは未来の芸術家が様々なブータン伝統工芸を学んでいます。
中でも指で直接塗る漆塗りには驚きです!
東ブータン第2の新しい町モンガル
タシガンから西へ約70キロ、標高2,400メートルのコリ・ラ(峠)を越えてモンガルへ。
この町は “織りの里”として知られるクルテ地方(現在のルンツェ県)へのゲートウェイ。
➀モンガル・ゾン
比較的新しい建築ですが、年に1度のツェチュは盛大に行われます。
2020年は11月22日~11月24日です。
タシガン・ツェチュと合わせて訪れたいですね!
➁ルンツェ・ゾン
モンガルから北へ約80キロのルンツェ県のゾンは1543年建立。
背後にグレート・ヒマラヤが聳えます。2020年は12月23日~12月25日がツェチュです。
➂コマ村
ルンツェ・ゾンから10キロほどのコマ村は、ブータン王室も愛用する美しい織り“キシュタラ”の産地。
今も農閑期には女性たちが機織りしています。
おわりに
都会化が進む西部に比べ、素朴さが残る東ブータンはおすすめです。
再訪の方も初めての方も、ブータンの祭り『ツェチュ』に合わせて東ブータンを訪れてはいかがでしょう。