絵本の世界!フランス人の愛する秘境村「サンシルクラポピー」

フランスと言えば花の都パリを思い浮かべる人がほとんどでしょう。

その他の町や村について詳しく知っているという人は珍しいのではないでしょうか。

しかし、フランスの魅力は田舎にこそあると思います。

フランスはおしゃれで都会的なイメージがありますが、パリ以外は広大な田舎が広がる国

フランスの田舎には、中世の景観をそのまま残す町や、色とりどりの花に飾られた村、モネルノワールが描いた姿をそのままに留める村など、個性豊かな美しい町や村がたくさんあります

今日は、その中でも特に美しく、フランス人に人気のある「サンシルクラポピー」の村をご紹介します。

サンシルクラポピーとは?

「サンシルクラポピー(Saint-Cirq-Lapopie)」 という不思議な村の名前。

フランス語でもあまりない響きです。

フランスの南西部、ミディ・ピレネー地方(Midi-Pyrenees) にある人口200人の小さな小さな村です。

ロト川切り立つ崖の上に13~14世紀に建てられた古い家々が肩を寄せ合い村を形作っています。

その姿はまるでファンタジーの世界のよう。

こんなところがこの世にあったなんて…と驚かされます。

フランスの美しい村に選出されている!

フランスには「フランスの最も美しい村協会(Les plus Beaux Village de France レ・プリュ・ボー・ヴィラージュ・ドゥ・フランス)(Midi-Pyrenees) 」と呼ばれるアソシエーションがあります。

協会の設ける厳しい条件をクリアした村に「美しい村」の称号を与えられます。

協会の設ける条件の中でも特徴的なものをいくつか紹介します。


・人口が2000人を超えないこと

・歴史的建造物、自然遺産を含む、最低2つの遺産や遺跡を有すること

・村への交通手段や宿泊施設が整備されていること

・電線は地下埋め込みにすること

中世の村の雰囲気や歴史遺産を守りながら、観光を促進させるため工夫がされていることがうかがえます。

2018年の時点では全国に157の村が「美しい村」として認定されています。

サンシルクラポピー「美しい村」の称号を与えられている村のひとつです。

美しい村はフランス各地に散らばっていますが、特に美しい村が多く集中している地域が、サンシルクラポピーのあるフランス南西部です。

参考ホームページ:
フランスの最も美しい村協会(Les plus Beaux Village de France)
http://www.les-plus-beaux-villages-de-france.org/fr

フランス人の好きな村にも選ばれている!

フランスで人気のテレビ番組「Les Villages Preferes des Francais=フランス人が選ぶフランスの好きな村」



(フランス人の好きな村写真集)

個性あふれるフランスの田舎村が紹介され、視聴者の投票によって順位を決めるという趣旨の番組です。

サンシルクラポピーは、2012年にこの番組で紹介され、見事グランプリに輝きました

美しい村を見慣れているフランス人でも「素晴らしい!」と思う魅力がサンシルクラポピーにはあるんですね。

村の中はおとぎ話の中に迷い込んだよう…

サンシルクラポピーの村の見どころは、村の中を余すことなく散策することです。

村中のどの小道を歩いても絵になる風景ばかり!

童話絵本の中に迷い込んだかのような世界にカメラのシャッターを切らずにはいられません。

茶色い瓦屋根の小さな家々、軒先に咲くバラやエニシダなどの季節の花…

村を散歩する犬や猫さえ絵になります。

可愛い雑貨や地方の特産品を扱うお土産屋さんをのぞいてみたり、心惹かれる路地をあてどなく歩いたり、隅から隅までお散歩を楽しんでください。

村の中にはレストランやカフェもあります。

可愛らしい小さなレストランでこの地方の特産品であるフォワグラや、鴨のコンフィ、クルミのサラダ、トリュフオムレツなどをぜひ食べてみてください。

今ではのどかな可愛らしい村ですが、その昔は100年戦争の舞台となったというこの村。

村の一番高いところにそびえたつ要塞化された教会は、今では半壊し廃墟と化しています。

この教会の上からの眺望が素晴らしいので、ぜひ登ってみてください。

崖に張り付くようにして建つ村の全体像と、断崖の下を流れるロト川のパノラマを見ることができます。

村の中の坂道を下り、村を抜けたところで振り返ると村の全景を見上げることができます。

ここからの風景は私の中で忘れられない景色となっています。

この村がフランス人を魅了してやまない理由がよく分かります。

サンシルクラポピーに行く方法

秘境とも呼べるような山奥にあるサンシルクラポピー

この地理的条件が中世さながらの村の景色を守ってきた要因なのでしょう。

しかし、行くのが本当に大変です!

公共交通機関でアクセスするのは至難の業…と言ってもよいでしょう。

車の運転ができる方は、レンタカーで行かれることをお勧めします。

とはいえ、左ハンドルのフランスで運転するのは勇気がいるもの。

かくいう私も運転はできませんので、路線バスでサンシルクラポピーまで行きました。

公共交通機関でサンシルクラポピーへ行く方法

①飛行機か鉄道でトゥールーズ(Toulouse)かボルドー(Bordeaux)へ。

②トゥールーズやボルドーから鉄道で、カオール(Cahors)またはフィジャック(Figeac)へ。

③カオールまたはフィジャックから910番のバスでふもとの村トゥール・ドゥ・フォー(Tour de Faure)まで行くことができます。

④トゥール・ドゥ・フォー(Tour de Faure)のバス停から徒歩30分でサンシルクラポピーに到着します。

▶参考ホームページ:

910番バスを運行するバス会社Cars Delbos社ホームページ

http://www.cars-delbos.com/
こちらのページで時刻表を見ることができます。

慣れないフランスで電車と本数の少ない路線バスを乗り継いでいくのは不安…

車も運転できない…
という方は、数は少ないですが、サンシルクラポピーを訪れるツアーに参加しましょう。

現地発のオプショナルツアーやタクシーを利用するのもおススメです。

苦労して訪ねるだけの価値のある村です。ぜひ行ってその目で見てほしい絶景です!

▶参考ホームページ:

サンシルクラポピー観光局ホームページ
http://www.saint-cirqlapopie.com

 

    ★yukacco

    ライター
    記事一覧へ

    新着記事


    関連記事

    マカオの下町!「十月初五日街」でグルメやお土産探し【中国茶・エッグタルト】

    こんにちは!マカオ在住の椿です。 趣のある下町には、その地域の歴史や文化が根付いていると思いませんか? ピカピカのカジノや世界遺産の観光地もいいですが、地元の人の息遣いを感じられるマカオの下町を散策してみるのもおすすめで […]

    知られざるアルゼンチンの世界遺産!イシワラスト州立公園とタランパジャ国立公園

    南米アルゼンチンの世界自然遺産といえば、真っ先に思い浮かべるのは「イグアス国立公園」? それとも南部パタゴニア地方の豪快な氷河が魅力「ロス・グラシアレス国立公園」?いずれも太鼓判の世界遺産ですね。 でも、スケールの大きい […]

    【オーストラリア】ヤシの木街道にビーチと絵に描いたようなリゾートエリア、パームコーブへ行ってみよう!

    パームコーブってどんなところ? ケアンズの中心地からバスに揺られること1時間弱。 そこにはケアンズの街中とはまったく違ったリゾートムード満点のスポットが! 地名の通り、ヤシの木に囲まれたビーチリゾートです。 ビーチ沿いの […]