ケーキの代名詞とも言えるザッハトルテや、デーメルのチョコレート、さらにはおいしいアプフェルシュトゥルーデルなど甘いお菓子の話題に事欠かないウィーン。
おいしいスイーツと共にウィーンの人々がこだわるのがカフェー(Kaffee)ことコーヒーです。
ウィーンのカフェ文化とは?
オーストリアは、内陸に位置していることから、周辺の国々の食文化が独自の食文化へと発展して、今の生活に溶け込んでいます。
コーヒーもその一つ。
元はオスマン・トルコから入ってきたのがきっかけと言われていますが、大きく関係しているのはイタリアの都市・トリエステ。
トリエステは第一次大戦まで神聖ローマ帝国、ハプスブルク家の統治下にあり、自由貿易港として様々なものが輸出入されていました。
ハプスブルク統治時代には多くのコーヒーがトリエステにきて、オーストリアまで運ばれていました。
イタリアがルーツのコーヒーブランドが今でも国内では愛され続けていますが、こうした歴史背景のがあったからこそ、ウィーンのカフェ文化が花開いたのです。
スーパーで手に入るおすすめコーヒー豆
ウィーンには老舗から若者向けまで、様々なカフェが至るところにあります。
そこで飲むコーヒーはウィーン独特のカフェの雰囲気も手伝ってか、格別においしく贅沢な味わいです。
素敵なロケーションではなくても、贅沢なコーヒーの味をぜひ家で味わいたい!
普段使いだけれど、お店のコーヒーに負けないくらいおいしい、スーパーで手に入るコーヒー(豆)についてレポートしたいと思います。
今回は私が自宅用としてリピートして買いつづけているコーヒーと、お土産として注文が多い種類をご紹介します。
➊Julius Meinl Jubiläum
(左が挽いた豆、右が豆のパッケージ。
他のメーカーではGanze Bohnen(豆)やGemahlen(挽豆)の表記もある。)
ひときわ目をひく金色のパッケージのコーヒー。
ウィーン1区旧市街の一角にある世界の食品を扱う高級グルメ食品スーパー、ユリウス・マインル(Julius Meinl)の看板商品で、日本では「ジュビリー」の名前で親しまれています。
Julius Meinlの店内だと少し値は張りますが、かわいい缶入りのものや、昔ながらのロゴ入り缶の商品も手に入ります。
お手頃価格でお求めになりたい方は、普段使いのスーパーマーケットシュパー(SPAR)、ビラ(BILLA)、メルクア(Merkur)でのお買い物がおすすめ。
500g入りパッケージ7,99ユーロが基本のお値段です。
運良くセール品として出ていると、2つ買って1つの値段3,99ユーロという価格で買うことができます。
淹れたときのまろやかな香りももちろんですが、舌触りがよく、苦味のないコク深いコーヒー。
この「Jubiläum」を飲み始めたら、他のコーヒー豆に戻れなくなった、というコメントをよく聞くほどおいしいです。
ウィーンに住んでいた友人や、旅行で来た際に飲んだコーヒーの味が忘れられない!という知り合いからの注文が特に多いこの「Jubiläum」。
日本に帰国する際にお土産としてもおすすめです。
(取り扱いのあるスーパー:Julius Meinl, SPAR, BILLA, Merkur)
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➋Julius Meinl Präsident
こちらは赤いパッケージの「Julius Meinl」。
筆者の個人的意見ですが、➊の金色のパッケージ「Jubiläum」より浅めの焙煎なので酸味があり、ほんの少し風味が落ちるかなといった感じです。
コーヒーの好みも様々なので、酸味の強いコーヒーを好む方はPräsidentがおすすめです。
500gのパッケージが6.99ユーロとJubiläumよりも手に取りやすい値段です。
こちらも「2つ買って1つの値段」「2つ以上で安くなる」セールの期間中は1パッケージ3.49ユーロや、3.99ユーロになるのでスーパーマーケットで買う際には値段タグをチェックしてみてください。
(取り扱いのあるスーパー:Julius Meinl, SPAR, BILLA, Merkur)
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➌BIO CAFÉ LATINO
オーガニック食材の取り扱いが多く、リーズナブルに提供していることで、幅広い世代や食嗜好の人々に人気・信頼度の高いスーパーマーケット・ Hoferホーファー(ドイツではALDI) のコーヒー。
Hoferはオーガニック食品の自社ブランド・”Bio Aktiv”を2003年より導入し、輸入品でもオーガニックを貫き、環境破壊をしない食品生産を行うことに努めています。
オーガニック思考の強いヨーロッパの風潮もあり、手に取りやすい値段での商品提供が多くの消費者の信頼を集めています。
BIO CAFÉ LATINOはラテンアメリカの有機栽培農家とのフェアトレードで作られたコーヒー豆 (アラビカ種) 。
自分が口にするものにきちんと向き合うオーストリア人にはとても人気の高いコーヒーです。
パッケージに表記されている焙煎度は5段階のうち3と、比較的クセは少なく、コク深い味わいで、我が家では毎日飲むコーヒーの定番となっています。オーガニック・フェアトレードながら、500gが5.99ユーロと環境にも、お財布にもやさしいお値段です。
地元の人が日常的に飲む、私たち日本人にとってはマイナーなコーヒーなので、「確実に日本で売ってないコーヒー」をお土産として持って帰りたい方にはおすすめです。
(取り扱いのあるスーパー:Hofer)
スーパーマーケットSPARの自社ブランドのオーガニックコーヒーもおすすめ。
(写真のセール価格は定価より2ユーロや安くなるというもの)
➍illy
日本でも目にすることのある銀色の丸い缶のパッケージのコーヒー豆です。
味が濃く、強めの風味なので、エスプレッソ、 エスプレッソ・ドッピオなど、強めのブラックコーヒーを楽しみたい方におすすめです。
定価8.99ユーロなので、値段は高めですが、ながら飲みをしないイタリア人の好むコーヒーといった感じで、一杯の良質なコーヒーを楽しみたいときにぴったりのコーヒーです。
(取り扱いのあるスーパー:SPAR, BILLA, Merkur)
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➎Hausbrandt Qualita Rossa
こちらもイタリア・トリエステのコーヒー豆です。
イタリアのメーカーですが、創業者であるオーストリア人のヘルマン・ハウスブラント氏の名前から、ドイツ語のブランド名がついています。
250gの定価が約11ユーロなど、やや割高のものが多いのですが、どの商品もお店で飲むコーヒーそのもの、深い味わいが楽しめます。
Qualita Rossaはアラビカ種とロブスタ種の混合焙煎で、風味が強く濃い、イタリアン・エスプレッソ向きのコーヒーです。
ウィーンのスーパーマーケットでもなかなかお目にかかれない貴重なコーヒーのイメージでしたが、最近はウィーン1区Hoher Markt(アンカー時計横)のスーパーマーケットMERKURに置いてあるようです。
そのほか、ワイン専門のチェーンWEIN&COでの取り扱いもあります。
(取り扱いのあるスーパー:MERKUR, WEIN&CO)
お気に入りコーヒー豆を見つけよう
スーパーマーケットのコーヒー売り場にはまだまだ数え切れないほどの種類が並んでいます。
ドイツ・ミュンヘンの有名なコーヒーブランドDallmayrダルマイヤーやウィーンの家庭用のコーヒーとして定番だったTschibo/Eduscho チボー/エドゥショーなど、日本では馴染みの少ないコーヒーもあります。
(ドイツ・ミュンヘンのコーヒー・ダルマイヤー)
街を歩くとコーヒー豆専門店や、カフェのホームメイドコーヒー豆など、とにかく探し出したらたくさん。
今回は有名なものばかりご紹介しましたが、低価格のものが多いのでパッケージ買いをしてみるのも一つの手段です。
ぜひ、お気に入りのコーヒーを見つけてみてください。