ヨーロッパの冬と聞いて、真っ先にクリスマスマーケットの様子を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
中でも、ドイツはクリスマスマーケット文化が盛んです。
小さな街でもたいてい市庁舎広場では開かれていますし、大きな街では地域によって趣の異なる複数のマーケットを楽しめます。
長く暗い冬をあたたかく彩るクリスマスマーケットは、地元民にとっても大切な心のよりどころとなっています。
この記事では、そんなクリスマスマーケットで飲みたいオススメのドリンクを5種類ご紹介します。
1.グリューワイン
まずは定番のホットワイン
クリスマスマーケットの定番と言えば、もちろんホットワイン。
ドイツ語ではグリューワイン(Glühwein)と言います。
ドイツ人も、最初の一杯はホットワインで乾杯するのが一般的。
注文するとかわいいマグカップに入ってきます。
まず、ドリンクの値段にマグカップのデポジット料金(Pfand)をプラスした金額を店頭で支払います。
気に入った場合はそのまま持ち帰って構いません。
不要な場合は飲み終わったマグカップを返却すると、デポジットを返してもらえる仕組みです。
マグカップは旅の思い出に
このマグカップは毎年デザインが変わるので、集めている人も多く、旅行のおみやげとしても大人気です。
同じ街のクリスマスマーケットでも、お店によって色や柄の違うマグカップがあったりするので、好きなデザインを狙って飲みに行きましょう。
赤ワインにシナモン、クローブ、八角、レモンの皮、お砂糖を混ぜて熱するのが伝統のつくり方ですが、お店によって味はさまざま。
最近では白ワインでつくられたグリューワイン・ヴァイス(Glühwein Weiß)を出すところもあります。
個人的な感想としては白の方がスッキリしていて飲みやすいです。
気になった方は探してみてくださいね。
ちなみに、アルコール成分と風味が飛んでしまわないように78度以上には熱しません。
また、「最低でも8.8%のアルコール分を含んでいないとグリューワインとして売ってはいけない」、というドイツらしいルールになっています。
つまり、飲みやすくてもしっかり酔っぱらいますのでご注意を!
2.キンダープンシュ
家族で楽しめるノンアルコールのお酒
「お酒が苦手でクリスマスマーケットの屋台に尻込みしてしまう」という方や、レンタカーで回りたいのでお酒が飲めない方、心配いりません。
ノンアルコールのグリューワイン、キンダープンシュ(Kinderpunsch)はいかがですか?直訳すると「ちびっこ(フルーツ)パンチ」。
クリスマスマーケットは家族みんなで楽しむものなので、大人だけでなく子供も楽しめるようにと昔から伝わるドリンクです。
お酒の代わりにジュースを使っているほかはシナモン、クローブ、レモンの皮、お砂糖をグリューワインと同様に使っている場合が多いです。
ジュースはりんごジュースとオレンジジュースのブレンドが定番ですが、お店によってはぶどうジュースも混ぜていたり、限りなくグリューワインに近い味を楽しめますよ。
3.アイアープンシュ
直訳するとたまご酒
筆者の一番のお気に入りは、こちらのアイアープンシュ(Eierpunsch)。
直訳すると「たまご酒」ですが、日本のそれとはだいぶ違います。
カスタードクリームをイメージしていただければ実像に近づけると思います。
主に卵黄とブランデーでつくられるたまごのお酒(Eierlikör)に白ワイン、バニラ、お砂糖を加えて熱したもので、生クリームとストローがついてくることが多いです。
甘いお酒が好きな方におすすめ
ベイリーズなどの甘くてクリーミーなリキュールが好きな方には、自信をもってオススメします。
4.フォイヤーツァンゲンボウレ
かなりパンチの聞いたお酒
なんだか強そうな名前ですが、直訳すると「火ばさみのパンチ」(Feuerzangenbowle)。
ぐつぐつ煮込まれたグリューワインの釜の上に、円すい形の巨大なお砂糖の塊を横向きにわたします。
このときお砂糖を乗せる調理器具が火ばさみです。このお砂糖には、ラム酒がたっぷりしみこませてあります。火をつけられたお砂糖がおおきな炎をあげながら溶け出して釜に落ちたら、かき混ぜて完成です。
ワインとラム酒で味にもパンチが効いています。
グリューワインがかわいいデザインのマグカップで提供されるのに対して、素焼きの湯飲みのようなカップで提供されることが多いです。
こちらもデポジットを支払い、持ち帰らない場合は返却し、返金してもらいます。
意外と女性にも人気!?
お酒に自信のある男性陣がこぞって飲んでいますが、甘くて飲みやすいので、女性にも隠れた人気ドリンクです。
ただし、アルコール度数はグリューワインよりずっと高いので油断は禁物ですよ。
5.メット
見つけたらラッキー!?少しレアなドリンク
ホットはちみつワイン、メット(Met)です。
なんと起源は7500年前のエジプトまでさかのぼるようですが、ドイツでも歴史あるお酒です。
お城で開かれるような中世をテーマにしたクリスマスマーケットではよく見かけるのですが、街中ではあまりお目にかかれません。
スパイスやりんごをブレンドしたレシピもあります。
マグカップより小さく、ショットより大きいサイズで売っています。
梅酒が好きな方には特におすすめできる味です。
ぜひお試しください。
まとめ
いかがでしたか?
夜にはライトアップされて一層美しい冬の風物詩、クリスマスマーケット。
毎年11月の後半からクリスマス直前まで、大きな街ではお正月まで開かれています。
訪れた際にはぜひ参考にしてみてください。