年越しラクレット?!ドイツ人の大晦日の過ごし方~打ち上げ花火に占い、お酒~

    日本の年末の風物詩と言えば、大掃除、紅白歌合戦、年越しそば、除夜の鐘、といったところでしょうか。

    ドイツにも「大晦日と言えばコレ!」と言えるものがいくつかありますので、ご紹介します。

    1.おしゃれなチーズ料理、ラクレットを食べる

    溶かしたチーズを肉や野菜、パンなどにかけて食べるチーズ料理、ラクレット(Raclette) 。

    最近は日本でも専門店ができるなど、名前を聞いたことがある方もいるかも知れません。

    ドイツではクリスマスが終わると一気にスーパーのチーズコーナーを「ラクレットチーズ」が占領します。

    このラクレット、アニメ「アルプスの少女ハイジ」の中で、おじいさんが暖炉で溶かしたチーズをパンに乗せ、ハイジが食べているシーンがあります。

    もともとスイス料理で、フランス語で「削る」という意味の名前です。

    しかし、スイスやフランスでは「大晦日の定番」ということはなく、なぜかドイツでは大晦日に食べることが習慣化しています。

    「家族がたくさん集まる大晦日に、比較的簡単な準備で食べられるから。」

    「チーズが溶けるのに時間がかかるから、家族団らんにもってこいである。」

    「何はなくとも(ドイツ人の大好きな)じゃがいもとの相性がぴったりの料理だから。」

    など、理由は諸説あるようです。

    2.ブライギーセンで翌年の運勢を占う

    日本では、新年の初詣の際におみくじを引く方も多いですよね。

    ドイツでは、大晦日に翌年の運勢を占う、ブライギーセン(Bleigießen)を楽しみます。

    自宅で簡単にできるこの占いは、子供たちにも大人気です。

    スプーンの上に鉛の塊を乗せ、キャンドルの火にかざして溶かします。

    完全に溶けたら水を張ったボウルの中に一気に注ぎ込むと、さまざまな形に固まります。

    何の形が出来上がったかで運勢を占うのですが、当人だけでなく、みんな一緒に何に見えるか意見を言い合い、わいわい盛り上がります。

    スーパーや雑貨屋で簡単に手に入るブライギーセンキットには、専用のスプーン、鉛の塊が10個ほど、そして結果の一覧表がついています。例えば、豚の形なら「幸運」、ゆりかごの形なら「子宝」、といった具合です。

    3.短編映画「Dinner for one」を観る

    日本の紅白歌合戦は当然、毎年違う内容で生放送されていますが、ドイツではなんと、全く同じ映画が毎年大晦日に放映され、多い年には1,500万人が視聴しています。

    その映画のタイトルは「Dinner for One」。ドイツで撮られた英語作品です。

    11分という短い上映時間で描かれるのは、ソフィーという名前のおばあさんの90歳の誕生日。

    毎年4人の親友を招待してパーティーを楽しんでいたソフィーおばあさんですが、4人とも既に亡くなってしまいました。

    そこで、主人を悲しませないようにと考えた執事が4人の招待客になりすまし、例年通りのパーティーを行います。

    1人で4人分のお酒を飲み、ベロベロに酔っぱらった執事が笑いを誘う、コメディ映画です。

    世界一多くテレビ放送されている映画として、ギネス記録を誇るこの作品。動画サイトでも見つけることができますので、興味があれば探してみてください。

    3.ジャム入りドーナッツ、ベルリーナーを食べる

    ラクレットと同様に大晦日に多くの人が食べるのが、ベルリーナー。

    ジャム入りの揚げドーナッツです。

    パン屋には1年中置いてあり、ドイツ人は普段から大好きなのですが、クリスマスが終わるとどこのパン屋でも競うように、期間限定の特別なベルリーナーが並びます。

    普段は粉砂糖がたっぷりまぶしてあるのですが、シュガーグレーズがかかっていたり、チョコレートがかかっていたり。

    王道のベリーのジャムやアプリコットジャムの代わりに、カスタードクリームを入れたり、リキュール入りの大人な味にしたり。

    年末のパーティーには欠かせないこのお菓子。

    こっそりマスタード入りのものを忍ばせて、ロシアンルーレットのように楽しむこともあります。

    4.打ち上げ花火を鑑賞する

    川沿い、海沿いの街では新年のカウントダウンと同時に打ち上げ花火が盛大に夜空を飾ります。

    家族連れやカップル、友人同士で見物に行く人も多いのですが、水辺なのでとても寒いです。

    もし参加することがあれば、万全の防寒対策をして行きましょう。

    また、ビール片手に、シャンパングラス片手に、という光景もお馴染みなのがドイツらしいです。

    見知らぬ人とも気軽に乾杯して盛り上がります。

    5.自ら花火を打ち上げる、そして朝まで飲む

    ドイツでは「手持ち花火や自分で打ち上げる花火をしたい」、と思ったら、大晦日と元旦しかチャンスがありません。

    夏に線香花火をすることは許されないのです。(線香花火自体、ドイツにはないのですが。)

    個人で楽しむ花火は、以前は大晦日のみ販売・使用が許可されていました。今では12月27日から12月31日まで販売が許されています。

    このことから、カウントダウンの瞬間に自分で花火に点火してお祝いする若者や家族連れがたくさんいます。

    ひとしきり花火を楽しんだら、朝まで好きな場所で飲み明かし、元旦はのんびりと眠って過ごすのがスタンダードです。

    自宅でホームパーティーの続きをやるのも良し。

    街のバーや飲み屋はたいてい朝まで開いていますし、レストランや大学もパーティ会場になっていたり、とにかく賑やかです。



       

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