慶尚南道の晋州(チンジュ)市、といっても、それほど観光都市として知られているわけではないので、ピンとくる方は少ないかもしれません。
晋州市にある晋州城は16世末、豊臣秀吉の時代に日本軍が朝鮮半島へ攻め込んだ「文禄・慶長の役(韓国では「壬辰倭乱(イムジンウェラン)」)」の舞台となった場所!
当時、国のために戦った当時の兵士の追悼と、人々の安泰を祈願するために毎年10月に開催される「晋州南江(ナムガン)流灯祭り」をご紹介します。
日が沈めばお祭りの始まり!普段とは違う魅力を持つ晋州城へ
2019年の開催で20回目を迎える「晋州南江流灯祭り」。
このシーズンになると、国内外から大勢の観光客の方が晋州城を訪れます。
期間中、夕方から夜更け頃まで続く「晋州南江流灯祭り」では晋州城や、すぐ目の前を流れる南江が灯篭で一斉にライトアップ!
晋州の灯篭流しは、戦いにおける軍事戦術、通信手段などに灯篭が用いられたことが由来しています。
数万個の灯篭が使われる大規模なお祭りで、創作灯篭の展示や水上花火、舞台演舞なども行われます。
「晋州南江流灯祭り」開催中は、城内外を自由に散策可能で、入場も無料!
鮮やかな祝灯が入り口でズラリとお出迎え
晋州城に入ると、まず目に入るのがズラリと並べられた灯篭の通り抜け。
雰囲気を演出するためのこの灯篭は、行事開催のお祝いの意味が込められています。
明るく照らされたオレンジ色の光は、フォトジェニックでインパクト大!
南江をカラフルに彩る灯篭の数々
南江の水辺に浮かべられた灯篭は、朝鮮時代の世界観や伝統衣装、動物、植物など、様々な題材がモチーフにされています。数々のカラフルな灯篭がとても綺麗!
晋州城や橋のライトアップと重なって、見事な情景が演出されています。
城内はさらに豪華!他国との交流もしっかりとご紹介
城内では、色とりどりの灯篭で友好国なども紹介。
それぞれの都市の特色が分かりやすく表現されています。
人の身長を越える高さで造られた灯篭の中を歩くと、まるで別世界に飛び込んできたよう!
中国をテーマに創作された灯篭など、豪華絢爛なゾーンがいくつも出現してきます。
臨場感あふれる当時の様子が灯篭で再現!
晋州城での灯篭演出のメインテーマは、壬辰倭乱での戦いや、当時の朝鮮時代の様子。
城内外で繰り広げられた戦いの場面が再現されています。
武器を持って構える人、馬に乗って走っていく人、敵の攻撃倒れる人・・・臨場感いっぱいの戦場で、今にも動き出しそうなほど!
朝鮮時代当時の状況や考え方が、解説と共に紹介されている灯篭もあります。
こちらの「君爲臣綱」と書かれている灯篭は、王と臣下の間にも信義が無ければ、という意味合い。
古くからの儒教文化の様子が伝わってきますよね。
可愛らしい灯篭作品で心も和やかに
強烈なインパクトを受ける戦場の様子から一変、お手製の可愛らしい灯篭も飾られています。
色使いが美しいものばかりで、心が癒されるゾーン。
ライトアップされた解放スペースの散策も兼ねて
せっかく晋州城まで足を運んだのなら、お祭り以外にも散策してみましょう!
晋州城内は普段も一般開放されていますが、灯篭で彩られた晋州城は、この時期ならではのもの。
ライトアップされた建物や通路は、いつも以上に輝きを増しますよね。
賑やかな晋州の街を体感してみて!
晋州市は釜山から西に110kmの場所に位置しています。
韓国の高速鉄道KTXも晋州駅に乗り入れていますが、釜山から市外バスに乗るのが便利でオススメ。
晋州市内には宿泊施設も増えてきており、「晋州南江流灯祭り」のシーズンは国内外から大勢の観光客が集まります。
日本と韓国の歴史や韓国の文化も実際に感じられる「晋州南江流灯祭り」。開催日程は、多少前後するものの、毎年10月前半のほぼ同じ時期です。
晋州には南江で獲れる晋州ウナギなど、ご当地グルメも盛り沢山!ぜひ地方旅行として訪ねてみてくださいね!
▶晋州南江流灯祭り (2019年は10月1日~10月14日に開催)
住所:慶尚南道 晋州市 江南洞、 南江一円、晋州城基準
アクセス:晋州市外バスターミナルから徒歩13分(タクシーで約5分)
晋州駅からタクシーで約15分
問合せ先:+82 55-761-9111
公式ホームページ:global.yudeung.com/?r=jp