イースターといえば、イースターバニーやカラフルな卵など、キュートなイメージがありますよね。
しかし、スペインのイースターにはこのような可愛いアイテムは存在しません。
その代わりに不思議なものが見られるかも…。
今回は、そんな少し奇妙で他とは異なるスペインのイースターについてご紹介しましょう。
イースターとは?
イエス・キリストは、弟子に裏切られ、十字架に磔になり処刑されます。
しかし、「イエスは復活する」と言う予言があり、その通り3日後に復活しています。
イエス・キリストがおこした奇跡でも最大の奇跡であり、その復活を祝うのがイースターです。
西洋圏ではクリスマスと並ぶ大型ホリデーで、学校や銀行、行政機関などはお休みになります。
移動祝日で毎年日程が異なり、祝日になる期間も国や地域で様々です。2019年は4月21日でした。
スペインではどんなことがあるの?
スペインでは復活祭前の1週間、裁判と処刑によりキリストが受けた苦痛を偲ぶ期間をセマナ・サンタ(Semana Santa/ 聖週間)と呼びます。
1週間前の日曜日は、教会の礼拝でオリーブの枝が配られます。
オリーブは神と人間の和解、平和、神の慈しみによる繁栄と神の祝福を象徴します。
また、オリーブの木の下でキスをすると永遠に結ばれると言われており、家族や恋人を思う木でもあります。
聖週間の中でも
・最後の晩餐が行われた「フエベス・サント(Jueves Santo/ 聖木曜日)」
・キリストが十字架にかけられ死んだ「ビエルネス・サント(Viernes Santo/聖金曜日)」
は特に重要で、カトリックの教会では聖木曜日から3日間重要な式典が行われます。
地域によっては、聖木曜日の夜から聖金曜日の朝にかけて7つの教会を訪問します。
7つの教会で祈りを捧げることで、❛最後の晩餐を行った場所から十字架にかけられたゴルゴタの丘までの道のりを偲ぶ’という意味があるそうです。
イースターのクライマックス、聖週間の宗教行列
最大のイベントは、キリストやマリア像を乗せた山車を担いで街を回る宗教行列「プロセシオン」でしょう。
プロセシオンは、キリストの死や悲しみを舞台化し忠実に再現したものです。
重苦しい音楽や全体の雰囲気と、KKKを思わせる三角頭巾に衣装、さらにはキリストが行ったように素足で鎖を引きずって歩く人もいて、正直不気味で怖いとすら感じます。
プロセシオンで有名なのは、聖地巡礼でも有名な「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」、特に宗教色の濃い南部の「セビリア」や「マラガ」。
行列を夜遅くまで追いかけながら過ごす町もあります。
スペイン版フレンチトースト!?イースターの伝統のお菓子「トリハス(Trrijas)」
スーパーのお菓子コーナーにはイースターエッグのチョコレートなどがありますが、それよりもスペイン人の心を掴んで離さない伝統のお菓子があります。
それがトリハス(Trrijas)。
http://oleact.es
シナモンをたっぷり入れた牛乳にパンを浸し、かき混ぜた卵に移した後、油で揚げ焼きにし、砂糖やシナモン、蜂蜜をたっぷりとかけて頂きます。
スペイン版フレンチトーストという感じでしょうか。
カチコチに硬くなったパンの方がたっぷりと水分を吸うので、我が家ではパンの救済レシピとしてイースター以外でも活躍しています。
(そして、これはイースターの料理!」とツッコミが入ります…。)
最後に
春のヨーロッパ旅行にスペインを選んで、独特の世界観に浸るのはいかがでしょうか?
実は地域差も大きい行事で、私が住んでいるグラン・カナリアでは、日曜日にオリーブの枝をもらうのがよく見かける光景でした。
きっと大きな教会やその周辺では式典や行列も見られたのでしょうが、街全体は大型連休を楽しみに来た人たちで「それどころじゃない!」といった感じでした。
最大のホリデーの一つなので、観光スポットや交通機関のダイヤも事前に調べておくことをお勧めします。
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