トライシクルとは?
東南アジアの街中って、なんとなくバイクに人がたくさん乗っているというイメージがあるかもしれません。
でも裸のバイクではなくて、それに荷台を付けて乗客をたくさん乗せられるようにしているのがトライシクルです。
トリ(トリプルなど3を意味する語)とバイシクル(自転車)を足し合わせてできた言葉です。
要するに3輪車ということですね。自転車かバイク(2輪)に、乗客用の台車(1輪)をつなぎ合わせて作られています。
いわゆるサイドカーのようにバイクの横に台車を取り付けるタイプと、リヤカーのようにバイクの後ろに台車を取り付けるタイプがあります。
乗車定員は7~12人とかなりのすし詰め状態になりますが、それはこの国のどの乗り物でも同じですね。
トライシクルのパワーは。。。
バイクは主に135ccと、日本では売られていないエンジンサイズが主流です。
でもちょっとイメージしてみて下さい。250ccのバイクに2人乗りで余裕のツーリング、660ccの軽自動車に4人で普通にドライブ。
からの、135ccのバイクで7人?12人?どう考えてもパワー不足ではないでしょうか。
その通りなんです。
ですからスピードはゆっくりです。
しかもちょっとした上り坂でも、エンジンから火が出そうなくらいフルパワーでやっと登るイメージです。
そんな訳ですので、それなりの上り坂なのに手前で十分に加速できないと失速して、それ以上登れなくなります。
そんな時は単純に乗客たちが降りて押してあげます。
誰も不満は言いません。
そういうものなんです。
というわけで、そんな時はそういうものだと思って受け入れて下さい。
怖いのは坂を下るとき
ちなみに、あまりにも上り坂が厳しい区間では175ccと少し大きめのエンジンのバイクが使われています。
でも大事なのは登れるかじゃなくて、安全に降りてこれるかなんです。
そんな急な坂で、本来のバイクの定員の3倍以上乗っていて、しかもブレーキが強化されているわけでもないんです。
台車(1輪)側にはブレーキなんてついていませんから、減速する手段はバイク側にしかない訳です。
ドライバーたちもさすがに分かっていて、エンジンブレーキを多用して下りてきますが、登りと同じくらいエンジンが悲鳴を上げています。
どうか自分が乗っているときに壊れませんようにと願うスリルも、むしろ文化だと思って味わってください。
走行エリアは?
トライシクルは誰でも勝手に運行できるわけではなく、運輸局のようなところから許可証を得て、それぞれ特定の区間を専用に走るようになっています。
その区間はバスやジープニー(他記事参照)など他の交通機関とは被らないように設定されています。
ジープニーについてはこちらの記事を参照↓
ざっくり言うと…
いわゆる国道のような幹線道路はバスやジープニー、そこから枝分かれする細い道の輸送を担うのがトライシクルというイメージです。
料金と乗り方
料金はだいたい7ペソ(14円)ということが多いですが、走行距離によって5~10ペソ(10~20円)と変わることがあります。
満員になってから発車という場合が多いので、結構待たされることもあります。
逆に自分ひとりなのに発車しそうになったら料金を聞きましょう。
「ピラ?(いくら?)」と。
30ペソ(60円)とか割増料金を取られる可能性が高いからです。
旅行者なら払っちゃいそうな料金ですが、そんな安いの?という顔だけはしないで下さい。
次に来る外国人のために。。。